2010/11/08

読書週間:14日目


 読書週間の特別企画、最終回を任されましたe_cです。しかし、うちのスタッフは結局マンガしか読んでないのかよ...というような企画でしたが、最後まで御覧くださり有難うございました。

 スタッフの本棚を紹介ということなのですが、実を言うと、今、僕の部屋の本棚の前には吊るされた自転車が2台あり、その前には室内で自転車のトレーニングをする為のローラー台という機材があるため、簡単に本棚の本に手が届かない状況だったりします...。ですので、今回も枕元にある数冊の本の中からのピックアップとなるので、多少、ジャンルに偏りがあったりしますが、ご了承下さい(笑)



 今回はインターネットの世界から頭角を表わしてきた、若手の経済評論家の三橋貴明の「日本の未来、ほんとは明るい!」という本をご紹介します。


「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。
    およそ成り行きに任せる人間は気分が滅入りがちなものだ」


 フランスの思想家アラン・コーナーが書いた「幸福論」という哲学書の一文です。
 他の先進国と比べて、日本ほど、犯罪率が低く、経済的に豊かで、物作りの技術にたけ、サービスの質が高く、歴史的文化価値のある国は、世界中探してもどこにもありません。あれほど過密ダイヤの新幹線は、ほぼ時間通りにやってくるし、水道水をそのまま飲むことが出来る、天災などで大きな被害を受けた中で、略奪行為が起きることもなく、落とした財布が戻ってくることもある、こんな国は日本だけなんです。これほど規律や道徳が行きとどき、しかも経済的に豊かなのに、日本中に「悲観主義」が充満しているように感じます。その理由は教育とマスメディアの影響が大きい思っています。
 日本のマスメディアは悲観的な言葉を並べ不安を煽り、あたかも「日本が破綻する」という結論ありきの論調を繰り返し世論誘導している事は、インターネットの世界では常識として知られた事となってきました。


よ〜く見てください。左のグラフの数字の幅、不自然でしょう?これは直接「破綻論」とは関係の無い内容ですが、このようなトリックは日常茶飯事です。この程度のものならまだかわいいもので、古くは「椿事件」に始まり、最近ではNHKの「JAPANデビュー」での偏向報道など、特定の思想に誘導する印象操作が行われており、大きな問題となっています。
 この本は日本の「良い部分」「強い部分」は殆ど伝えずに「悪い部分」「弱い部分」のみを誇張し、数字の一部だけを切り取るなどのトリックを使って視聴者を誘導してきた、マスメディアの「根拠の無い破綻論」を一蹴する「子供でも理解出来きる」日本経済の入門書です。
 「治安悪化」「少子化」「国の借金」「格差社会」「食料自給率の低さ」など、マスコミがここ10年ほどで不安を煽ってきた、上記のような問題を、正確な数字を使い、判りやすく「嘘」であることが説明すると同時に、逆にそのアドバンテージを提示、「国家のグランドデザイン」を掲げ、バランスシートを基礎にしマクロの視点から現在の日本の経済状況が説明されています。現、民主党内閣ですら「国家のグランドデザイン」を示さない(という、グランドデザインという観念すらない)中、日本という国のマスタープランを提示したうえでの丁寧な説明は、経済について深い知識のない僕でも良く理解することが出来ました。
 前回「日本の境界」という本をご紹介した際に少し触れた「メタンハイドレート」という新世代エネルギーの可能性、世界最先端の「ナノテクノロジー」技術など、いろんな要素を複合的に考えても、日本の経済や未来はそれほど悲観することは無いというのが、この本を読めが良く分かるかと思います。

 まあ、しかし、今の日本人はやたらと自虐的で悲観的な考え方をする人が多いのは事実。これは大東亜戦終了後、GHQが行った「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」という戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画、そしてその影響を受けた、日教組の誤った教育も大きいと思います。
 学校で教えられた事やTVで言っている事が「真実」とは限りません。僕たちは「思い込まされている」事が沢山あるようです。頭の中にある当たり前だと信じてきた常識や歴史認識を、一度正しい情報にアップデートしましょう。
 その為には常にリテラシーを高め、能動的に思考し続ける事が大切です。大量の情報の中から、正しい情報を読み解くに、考えることを止めないことだと思うんです。常に「何が正しいのか?」「今の自分の考え方が間違っていないだろうか?」と自問し続ける事です。「禅」という観念がDNAに刷り込まれている僕たち日本人は、本来、論理立てて物事を探求する事が得意な民族のはずですよね。
 これは音楽にも当てはまることだと思います。「自分は何者なのか?」「どこから来て、どこへ向かうのか?」自己をしっかりと探求した人間の作る音楽の説得力は、皆さんご承知だと思います。URしかりです。僕はその説得力こそ「魂」であり「ソウル」なのだと思っています。

 話が随分とそれましたが、あまり悲観論に流されずに、もっと楽観的に物事を考える事も必要だと思います。「ケ・セラ・セラ」の精神で!(e_c)