2010/11/03

読書週間:8日目



 「UGスタッフの本棚の一部をご紹介」というこの企画。僕の部屋にはレコードやCDと同じくらい、沢山の本があるので、何をご紹介しようかと迷ったのですが、先日の尖閣諸島での追突事故や、ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土へ初訪問など「領土問題」が表立ってきているので、領土について詳しく知る事が出来る「日本の国境」という新書をご紹介したいと思います。
 僕たち日本人は「国家」や「国境」という概念が希薄です。日本の国境の全てが「海上」にあるため、リアリティーを持つ事が出来ないのも事実です。日本の領土は「北海道、本州、四国、九州、沖縄」などの「島」だけだと理解しがちですが、実は広大な排他的経済水域を保有しています。先日のメール・ニュースの冒頭でも少し触れましたが、国土面積は世界で59番目という狭いものですが、排他的経済水域(EZZ)でいえば国土面積の12倍もあり、世界で6番目の広さを持っています。これだけ広大な領海を持ちながら、その境である「国境」が「海上」で有るため、そこで何が起きているのかを知ることは殆ありません。
 日教組の「自虐史観」に基づく平和教育のおかげで、「戦争は遠い国のモノ」「日本は平和憲法があるので攻め込まれることはない」など、所謂「平和ボケ」していると言われている僕た日本人。実は、今回の尖閣諸島での追突事故のように、他国の領海侵犯は日常茶飯事なのです。どこからが「有事」なのか?という問題はありますが、「有事」一歩寸前といえる、常に緊迫した状態なのです。
 日本の領海には、多様な水産資源があり、尖閣諸島周辺には1000兆円を超えると言われている海底油田が存在しておると言われており、また日本近海には次世代資源と言われるメタンハイドレートなどのエネルギー資源が大量に存在している事が明らかになってきています。中国の尖閣諸島での動き、ロシアが北方領土を返そうとしない理由、韓国が竹島を実効支配しているのは何故なのか?全てはこういった資源を奪い取る為のものなのです。
 僕たち日本人は「国境」や「領土」、そして「国家」や「国家主権」というものを改めて考え直す時期にきていると思います。そういう意味でも、是非皆さんに読んで頂きたい一冊です。(e_c)